経済学大学院留学ガイド - 留学奨学金 -

赤字は2005年11月更新箇所

注:日本語で「奨学金」というと、育英会のようにお金を借りるというイメージがあるが、ここで紹介する「奨学金」は全て返済義務のないものである。

  1. 大学院留学費用

    大学院留学にかかるお金(一年分)は、学費が$20,000-$25,000ぐらい(UC Berkeley などの州立大の場合は約$15,000)、生活費が$10,000-$15,000ぐらい。経済学専攻の場合、一年目のコースワーク(ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学)をクリアすれば、二年目以降は何らかの形で大学院から奨学金を受けられるケースがほとんどなので、一年目の留学費用をどうするかが問題である。一年目からも奨学金をもらえることもあるが、よほど優秀じゃないと無理だし、もらえたとしても学費免除だけで留学費用の全てを賄えないケースの方が多い。そこで重要になってくるのが国内の財団などによる留学奨学金の獲得である。 (2005年3月追記:大学によって事情は異なるようで、2001年度の Princeton のように、博士一年生全員に学費免除+生活費$15,000以上支給という例もあるし、NYU は入学者全員に一年目から奨学金を支給すると経済学部のPhD進学FAQページに書いてある。)

  2. どのような留学奨学金があるのか?

    かの有名なフルブライト奨学金を実施している日米教育委員会によるリンク集、又は、日本学生支援機構(JASSO)による海外留学奨学金パンフレット(リンク修正)を参照。応募資格を満たす事のできる奨学金を選び出して、その全てに申し込むべし。なお、ほとんどの留学奨学金は、まだどの留学先にも受かっていない状態で応募することを前提としている。

  3. 留学奨学金の効用

    留学奨学金をあらかじめ獲得していると、入学審査において有利になるらしい(KS)。例えば、合格枠があと一人で、同レベルの出願者が二人いた場合、外部から奨学金を獲得している出願者の方が、大学院がお金を出さずに済むので選ばれるのだそうだ。ただ、個人的には、そのような効果よりも、奨学金無しで合格した場合にその大学院を金銭的な理由であきらめずに済むという効果の方が大きいと思う。ただし、ほとんどの留学奨学金は留学費用全額を賄うには足りないので、その不足分をどうするかが問題になる。公務員試験予備校などでバイトをして稼ぐのが一つの手だろう。合否のわかる直後の4月5月はちょうど稼ぎ時である。

  4. 募集締切の時期

    ほとんどが8月末から12月末にかけて。フルブライト奨学金のみ5月末と早い。以前入学許可を既に得ている事を条件に留学直前の4-6月に募集していた吉田育英会も9月から10月に募集するようになった。

  5. 幾つかの留学奨学金についての裏(?)情報(順不同)

    1. 村田海外留学奨学会

      村田機械株式会社による奨学金。支給額は、二年分の学費が年$20,000まで、二年分の生活費が年120万円、二年分の教材費・学会参加費などが年$3,200まで、渡航費が15万円、帰国費が$1,500まで(2002年度の奨学金に合格した知人からの情報)。個人的な印象としては、基礎研究的な研究関心を持っている人が合格する傾向にある。繰り返しゲームや進化ゲームでの功績で有名な神取道宏東京大学教授は、この奨学金で Stanford に留学したそうだ(a PhD student at Princeton)。

    2. 国際文化教育交流財団

      経団連による奨学金。私はこの奨学金に二年間お世話になる。支給額は、二年分の学費全額、二年分の生活費が月に$570、一ヶ月分の語学研修費として$1,570まで(生活費込み)、往復のエコノミークラス航空券代(実費)。個人的な印象としては、日本ではマイナーな研究関心を持っている人が合格する傾向にある。

    3. 平和中島財団

      パチンコメーカーによる財団らしい(ホームページはこちら。でも奨学金の内容に関しては書いてない)。支給額は、21ヶ月間、月に20万円、及び往復渡航費(エコノミー料金の正規運賃)。

    4. Japan-IMF Scholarship Program for Advanced Studies

      経済学博士課程留学に特化した奨学金。支給額は、二年分の学費全額と二年分の生活費が月$1,500。語学研修費、渡航費も出る(2002年度の奨学金に合格した知人からの情報)。フルブライト奨学金の全額支給を除けば、おそらく、一番太っ腹な奨学金。ただし、三年目の夏に IMF でインターンをすることと、博士号取得後に IMF の就職面接を受けることが義務。募集要項からは専門がマクロ経済学でないと駄目という印象を受けるが、それ以外の専門の人も合格している。また、留学後に申し込むことも可。実際そうやって奨学金をもらっている人が結構いる。

    5. 国際開発高等教育機構(FASID) 高等教育学位プログラム (2004年以降募集を停止してしまった模様) 

      二年以上の研究歴が応募条件なので、博士一年以上でないと無理。支給額は、二年分の学費が年$15,000まで、二年分の生活費が月21万円、航空費・引越し代・出国手当・帰国手当もある(2002年度の奨学金に合格した知人からの情報)。

    6. 文部科学省長期海外留学制度
    7. 博士取得向けの奨学金は、年間300万円までの授業料が3年間、月額10万〜15万円程度(留学先に応じて)の生活費が3年間、それから往復渡航費が出る。3年で博士が取れることを示す書類が必要なので出願要綱などをじっくりチェックすること。(例えばスタンフォード大の場合、Guide to Graduate Admission の2ページ目の左下に "The doctoral degree requires a minimum three-year program of study..."と書いてある。)審査は書類選考と面接。12月末が書類の締め切りで、3月末に最終的な合否が出る。経済学によらず様々な分野を対象としており、採用人数も他の奨学金に比べると多いと思 われる。希望派遣先大学は原則として1校で、これに落ちると「再審査」となる(一説には再審査は形式的ということだったが正確にはよく わからない)。筆者の再審査の結果は5月末に出た。(管理人注:2005年度にこの奨学金に合格した方に紹介文を書いてもらいました。)

    その他の裏(?)情報については、近藤さんのこちらのページをどうぞ。

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