経済学大学院留学ガイド -経済学修士課程への進学-
赤字は2005年3月追記箇所
制度上は学部卒でも(しかも経済学専攻でなくても)アメリカの経済学博士課程に入学できる。しかし、経済学修士課程に進学してから留学を目指した方が、何かと有利になる。実際に、アメリカの経済学博士課程入学者の多くは、修士課程で経済学のトレーニングを受けてから来ているそうだ。もちろん、優秀な人は学部卒でも博士課程に入学できる。
学部が経済学専攻の人には当てはまらないが、他専攻の場合、経済学者以外の推薦状は基本的に無意味である(推薦状のページ参照)事を考えると、経済学大学院に進学して、経済学者と知り合う必要がある。また、自分の行きたい大学院にコネがある教授のいる大学の修士課程にまず進学し、その人に良い推薦状を書いてもらえれば、合格する確率は高まる。
アメリカの経済学博士課程の一年目のコースワーク(ミクロ、マクロ、計量)を前もって学ぶことにより、博士課程に入学してからドロップアウトする確率を減らすことができる。
自分の研究関心を掘り下げて、その分野で有名な教授が誰なのかを知る事ができれば、志望校を選ぶのにも苦労しないし、留学先で自分のやりたい研究を見てくれる先生がいないという状況に陥る可能性が減る。
国内の留学奨学金(こちらのページを参照)は、大学院生であることを応募要件とするものが多く、学部生の場合、出願できる奨学金が限られてくる。また、出願先の大学院から奨学金付き合格を受ける可能性も高まるらしい(a Master student at Osaka Univ.)。
博士号取得後に日本での就職を考えている人は、日本の大学院にまず入学してコネをつくっておくと有利だろう。経済学界はコネ社会だから(日本もアメリカも)。
Kalaitzidakis et al.(2001) による最新の世界ランキング(志望校選びのページを参照)で200位以内に入っている日本の大学院は、阪大、筑波大、東大、東北大、京大、一橋大の六校(ランキング順)。ランキングに入るという事は、トップジャーナルに論文を載せている教授がいるということであり、アメリカの大学とのコネがあるということ。この六校のうちのどれかに進学するべきだろう。
アメリカの下位校の経済学修士課程にまず留学するという手もある(a PhD holder at Stanford)。どこの大学で修士号を取ったか、ということも入学選考では考慮されるようなので、日本の大学院に進学するよりはもしかしたら有利かもしれない(実例を知らないので何とも言えないのだが)。ランキングで20位以下のだいたいの大学には修士課程があるようだ。ランキング20位以内で唯一修士課程を持つ NYU はこんな見解を出している。
LSE の修士課程に行くのも手だが、一年間でコースワークの履修と専門分野で論文を書く必要がある(LSE のページ参照)ので、出願準備をする余裕がない気がする。他に英語圏の大学で Kalaitzidakis et al.(2001) による世界ランキングで50位以内に入るのは、Toronto, Montreal, University of British Columbia (UBC), Queen's University, Univeristy College of London (UCL), Cambridge, Oxford, Western Ontario であり、これらの大学の修士課程に行くのも手かもしれない(詳しくないので、情報は自分で収集してください。掲示板への書き込み no.152 も参照)。
あと、これは1999年に Princeton Review 掲示板で知り合った人から聞いた話だが、Chicago に Master of Arts Program in the Social Sciences (MAPSS) という修士課程があって、Chicago のあらゆる大学院の授業(当然経済学も含む)を自由に履修できるそうだ。ここに入った後、トップスクールの経済学博士課程に進学した人もいるらしい。古い情報かもしれないので、要確認。